KODOMOLOGY PIECEs
情報発信
更新日:2025/1/7
資生堂が目指す「先進的な仕事と子育ての両立」を支えるKODOMOLOGYのサービス
社員一人ひとりのライフスタイルを尊重し、育児・介護といったライフイベントにかかわらずキャリアアップできることを目指し子育てサポートを展開している資生堂。
子育て期社員のキャリア形成を一層支援してくために、2003年から運営していた事業所内保育所「カンガルーム汐留」(東京都港区)を、2023年に、より柔軟な子育て支援サービスを実行する「KANGAROOM+(カンガルームプラス)」へ生まれ変わらせました。
今回は、社員への支援を一歩進めた背景や、「切れ目のない子育て支援」にするための試みである「産後サポートサービス」について、ご紹介します。
紹介してくれるのは
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(株)資生堂
People&Culture本部
掛田さん資生堂子育てサポート統括
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KODOMOLOGY(株)
価値開発本部長 岡田さん「KANGAROOM+」をはじめとするKODOMOLOGYのサービス開発統括
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KODOMOLOGY(株)
「KANGAROOM+」
チーフマネージャー 岡本さん「KANGAROOM+」サービス運営統括
目次
産前期から小学生までを柔軟に支援する事業「KANGAROOM+」
掛田さん:これまで資生堂では、社員への金銭的サポートだけでなく、現状に合わせたリアルなサポートとして最初にカンガルーム汐留、次にカンガルーム掛川という事業所内保育所を運営してきました。
2017年以降、カンガルーム汐留にて一時保育サービスを開始してみたところ、利用者数が多く、社員のニーズが変化していることが分かりました。さらに、コロナ禍を経てリモートワークが浸透し、ハイブリットワークが日常になることにより、「多様な働き方」が実現しつつありました。
こういった背景から、時代の変化に合わせ、社員に寄り添うため、カンガルーム汐留の「保育園という施設に基づいた保育所保育」から、「多様な働き方に対応した柔軟な保育の実現を目指すベビーシッター事業」に転換し、2023年4月「KANGAROOM+」としてローンチしました。
岡田さん:「KANGAROOM+」では、産前期および乳幼児から小学生までの幅広い年齢層のこどもに対応するためのサービスを各種用意しています。2023年11月からはそれまでなかった「産後」に着目した「産後サポートサービス」もスタートし、「切れ目のない」子育て支援が実現しました。
そして、カンガルーム汐留時代からずっと、資生堂の中で働く社員を支えてきた、プロの保育スタッフによる、一人ひとりのニーズに細やかに対応したサービスを通して、「こどもの育ちの応援」と「ファミリーキャリアの支援」をしています。
岡本さん:働き方が多様化する中で、最新の状況を資生堂とKODOMOLOGYで共有し、その時のニーズに応じたサービスを開発・提供することができています。
また、シッターサービスでのお預かり中、保護者の方が仕事の隙間時間に同僚の方を連れてお子さんの様子を見に来ることもあり、会社の中に「KANGAROOM+」のようなサービスがある価値を実感しています。
「産後サポートサービス」のねらい
掛田さん:産後間もない時期は体がつらく、心も弱っている状態です。この時期をどう乗り越えるかが、その後の心身の回復や周りとの関係性に大きく影響し、キャリアだけでなく人生にも関わってきます。
そのため、People&Culture本部としては、資生堂が掲げる「PEOPLE FIRST」の理念のもと、社員およびその周りの人々が産後のケアに真剣に取り組んで欲しいと考えています。
また、子育ての最初の段階で自分達以外の外部の力を借りる経験は、その後長く続く子育て期全体を充実させるきっかけにもなると考えています。全社員にその重要性を実感してもらえるよう、メッセージだけではなく、産後サポートサービスを展開しています。
岡田さん:産後サポートサービスは、産後ケア専門資格を持つスタッフ(保育士)が、生後1~3ヶ月のお子さんがいる社員の自宅に訪問し産後家族の家事育児をサポートする、「KANGAROOM+」として初めての社員の自宅に訪問し提供するサービスです。
産後間もない時期の女性がしっかりと心身を回復できるようサポートすると共に、男性に対しても育児のリアルサポートを行うことで、男性の育休取得も促進しています。
チームで育児をしていくスタートラインとなる大事な時期となるため、本サービスが、その基盤づくりの一助になると嬉しいです。自分たちだけで抱え込む必要はありません。本サービスを通じて「ファミリーキャリアの考え方、外部サポートの利用を育児・生活の選択肢に入れて良いということ」を発信していきたいです。
岡本さん:具体的なサービスとしては、身体を休めている間のこどもの見守り(保育)や掃除・洗濯などの家事が多いです。また、保護者の方との会話の中で「現役の保育士さんにそう言ってもらえると安心する」という言葉をよくいただきます。ミルクの飲み具合、生活のペース、反応など、確かに育児書などにはあるけど、「これでいい」という言葉に安心されているようです。
出産後は孤立感を抱いていたり、手探りしていたり、不安な状態。私たちが自宅に行き、お子さんを見て、リアルに接した中でのコミュニケーションが、不安を少しでも取り除き、気分転換になるような心のサポートが大事であると実感しています。
産後サポートサービスを利用した社員の体験談
社員:産後1~3か月の間、スタッフの方に自宅までお越しいただきました。最初のころは夜間授乳や産後のダメージで寝不足や痛みがひどかったため、家事代行をお願いしている間に赤ちゃんと一緒に自宅で体を休ませるために利用しました。徐々に外出できるようになったころには、自宅での赤ちゃんのシッティングをお願いしました。
利用してよかった点
社員:産後に心身が早く回復したことと、時間に余裕ができたことがよかったです。
私はもともとできる限り早めに復職してキャリアを積んでいきたいと考えていたのですが、やっぱり身体的な負担が一番の気がかりでした。このサービスを利用したことで、一番辛いときに身体を休めることができ、本当に救われました。また、シッティングをお願いしている間に自分の時間を持てたことで精神的な余裕もでき、自分のキャリアや復職に対しても自然と前向きな気持ちになりました。
そして、育休期間中に夫婦でじっくり話し合う時間もできたので、今後自分のキャリアをどのように考えているのか、復帰後の家事・育児の分担についてなどたくさん話し合うことができました。長期的にキャリア、家族の在り方を考えるという意味でも利用してよかったです。
スムーズな復帰にもつながり、これから一層仕事も頑張りたいと強く思っています。
資生堂子育てサポートとKODOMOLOGYサービスがめざすもの
何でも一人で頑張ろうとすると、キャリアも家庭生活も息切れをしてしまう可能性があります。長期的に見て、自分の人生を健やかで豊かなものにするためにも、外部サービスや家族など、必要な時に心身共に誰かの手を借りる・任せるということは大切だと考えます。一人ひとりのキャリアの考え方や家庭の在り方に寄り添う形で産後サポートサービスを提供することで、社員が人生をより豊かにするきっかけになれば嬉しいです。
また、出産・育児は女性だけのイベントではなく、男女ともに新しい価値観を得るキャリアの一つと考えています。資生堂の子育てサポートのコンセプトである「誰もが<こどもも社員も真ん中の育児>と<新たな価値を生み出す仕事>を両立できる」状態の実現に向け、時代やニーズに合わせたサービスをこれからも開発・提供していきます。
「KANGAROOM+」に関する情報はこちらにも掲載されています。