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週末の「イベント託児」が繋ぐ子育て期のキャリア:女子プロサッカーWEリーグの取組み
週末のこどもの預け先調整はまだまだ難しい
2010年代に日本で社会問題となっていた待機児童問題。現在は各種対策により徐々に改善され、未就学のこどもの平日の預け先は、ピーク時と比べ確保しやすくなりました。※1
一方、日曜・祝日など、通常通う保育所・小学校がお休みの日や、居住地以外でこどもの預け先を探すことは依然として難しく、「週末・出張の仕事中こどもをどこに預けるか」は引き続き課題となっています。
そうした悩みを受け、近年、スポーツ試合やコンサート、学会、会社の研修など不定期に開催されるイベントにおいて、主催者が現地で託児サービスを実施するケースが増えています。
中でも、日本女子プロサッカー「WEリーグ」は、ホームゲームでの託児実施を各クラブに義務付けている、一歩進んだプロスポーツリーグです。
※1 保育所等待機児童数は、ピーク時26,081人(平成29年)、令和6年は2,567人
出所:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ()」
サッカー界の取組み
WEリーグは「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」という理念のもとに開幕した日本初の女子プロサッカーリーグです。選手、クラブ関係者、運営スタッフ、ひいてはファン・サポーターまで、誰もが自由にサッカーを楽しめる環境作りの一環として、試合会場での託児を行っています。
また、サッカーの審判員については、JリーグなどのJFA主催大会(第1種大会)を担当する女性審判員が増えていることを背景に、に性別に限定した「女子1級審判員」資格が廃止され、性別の区別がない「1級審判員」資格に統合されました。
こうした取組みや改革などにより、サッカーに関わる女性のますますの活躍が期待されています。
サッカー試合会場での託児サービス
、WEリーグの日テレ・東京ヴェルディベレーザホームゲーム(会場:味の素フィールド西が丘)が開催され、当日託児サービスを利用された審判員の鷲尾里梨さんにお話を伺いました。
鷲尾さんは、現役で活動する子育て中のサッカー審判員で、試合当日に会場での託児サービスを利用しながら、審判員活動を続けています。
お話ししてくれたのは
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JFA (公益財団法人日本サッカー協会)1級審判員
鷲尾里梨さんこの日は試合の副審を担当
試合で審判を担当する鷲尾さん(写真左から2番目)©WE LEAGUE
――子育てを担っているサッカー審判員の活動の様子について教えてください。
鷲尾さん:小さいお子さんを育てながら活動をしている女性審判員はまだまだ少ないです。
また、子育て期に審判員活動をしている人は、試合の日は家族にこどもを預けている方が多く、会場での託児サービスを使っている審判員は少ないのではないかと思います。
――そんな中、鷲尾さんが託児サービスを利用している理由を教えてください。
鷲尾さん:私は週末に家族にこどもを預けることができないため、託児サービスがなければ審判員の仕事を続けるのは難しいです。
審判を担当する試合の際に、会場に託児サービスがあると必ず利用しています。託児の環境が整っている試合は、ありがたいです。
会場の託児サービスを利用している審判員がまだ少ない中、利用実績を作っていくことも自分の役割だと思っています。
託児中の様子
――託児利用中のお子さんの様子や、託児の感想を教えてください。
鷲尾さん:楽しく・落ち着いて遊んでいる様子が、保育スタッフの方が撮影した写真・動画や利用後の連絡帳の文章から分かります。
利用後に保育スタッフの方が丁寧に報告してくれるので、預けている間の様子が分かりうれしいです。
――審判員の活動を続けていくために、託児のほかにどんな支援・サポートが必要だと思いますか?
鷲尾さん:私にとっては、会場に託児サービスがあるということが本当に大事で、それだけで十分ありがたく、今思いつくことはありません。
ただ、こういう託児の制度があれば他にも助かる人がいると思うので、託児が広がって欲しいです。
試合会場に託児があるということを知らない人も多く、託児サービスの存在を知る人や利用者が今後増えることを願っています。
会場の託児サービスを利用しながら審判員活動を継続するケースを自ら作っている鷲尾さん。こうした一人一人の取組みが、誰もが自由にサッカーを楽しめる環境や審判員の活躍・キャリアを広げています。
鷲尾さんが利用したの託児は日テレ・東京ヴェルディベレーザから委託を受けKODOMOLOGY(株)が実施しました。
「ホームゲーム託児サービス supported by KODOMOLOGY株式会社」実施のお知らせ | 日テレ・東京ヴェルディベレーザ